北海道の葬儀に参列して、受付で香典を渡したら、その場で中身を確認されて領収書を渡された。「香典に領収書?」と驚いた方もいるのではないでしょうか。
先にお伝えすると、北海道では香典に領収書が出るのはごく一般的なことです。失礼なことでも、特別なことでもありません。
この記事では、北海道の香典に領収書が出る理由、領収書の扱い方、香典袋の書き方、香典返しや通夜の参列など、道外から北海道の葬儀に参列する人が戸惑いやすいポイントをまとめました。
北海道の香典、ほかの地域とここが違う
| 北海道 | 本州の多くの地域 | |
|---|---|---|
| 香典の受付 | その場で開封し、金額を確認する | 式のあとに遺族が開封する |
| 領収書 | 受付でその場で渡される | 出ない |
| 香典返し | 受付で当日に渡す返礼品のみが一般的 | 後日あらためて香典返しを送ることが多い |
| 参列するのは | 通夜に参列する人が多い | 告別式に参列する人が多い |
香典の金額の相場そのものは、全国とほとんど変わりません。違うのは渡し方と、そのあとの流れです。
香典に領収書が出るのはなぜ?
受付で中身を確認して、領収書を書いてくれる
北海道の葬儀では、受付で香典を渡すと、受付の人がその場で香典袋を開けて金額を確認します。そして「香典代として」などと書かれた領収書に金額を書き込み、参列者に手渡します。
文房具店などでは、香典用の領収書も売られています。それくらい、北海道では当たり前の習慣です。
理由には、いくつかの説がある
香典に領収書を出すようになった理由は、はっきりとは分かっていません。よく言われるのは、次のような説です。
- 雪で参列できない人の香典を、代わりに届けた証拠として:雪国の北海道では、昔は雪で交通が止まり、葬儀に行けないことがよくありました。そのときは参列できる人に香典を預けて届けてもらうことが多く、「確かに渡しました」という証拠として領収書を残すようになった、という説です。
- 受付でのお金のやりとりを、はっきりさせるため:その場で金額を確認して記録しておけば、あとで「渡した」「受け取っていない」という行き違いを防げます。
- 会社や団体から出す香典の精算に使えるため:会社や町内会の名前で香典を出したときに、領収書があれば精算がしやすくなります。
どの説でも共通しているのは、香典をお互いに確かめ合うという考え方です。
領収書が出ない葬儀もある
最近は家族葬が増え、香典を辞退する葬儀も多くなりました。香典を受け取らない葬儀や、受付を置かない葬儀では、当然ですが領収書は出ません。また、葬儀社や地域によって、やり方が違うこともあります。
受け取った領収書はどうする?会社の精算に使える?
- 会社の慶弔費として香典を出した場合:領収書を精算に使える場合があります。扱いは会社によって違うので、総務や経理に確認しましょう。
- 個人として香典を出した場合:とくに使い道はありません。記念にとっておく必要もないので、気になる場合は処分して構いません。
職場の香典の考え方は、こちらの記事にまとめています。
会社の人の親が亡くなった時の香典|渡さないのは失礼?相場と出さない場合の伝え方
香典袋の書き方(北海道で気をつけたいこと)
住所・名前・金額を、はっきり読める字で
北海道では受付で中身を確認して領収書を作るので、中袋(または受付のカード)の住所・名前・金額が読みやすいことがとても大切です。崩した字や薄すぎる字は避け、はっきり書きましょう。
連名で出すときは、別紙に全員分を書く
職場の有志などで連名にする場合は、香典袋に代表者の名前を書き、別紙に全員の名前と住所、それぞれの金額を書いて中に入れます。受付で確認しやすく、遺族があとで整理するときにも助かります。
表書きは、宗派に合わせる
表書きは、仏式なら「御霊前」が広く使われますが、浄土真宗では「御仏前」を使います。宗派が分からないときは「御香典」とすると無難です。
外袋の表書きと名前は、通夜・葬儀では薄墨で書くのが一般的です。どこまで薄墨にするかは、こちらの記事で早見表にまとめています。
香典は薄墨でいつまで書く?中袋はボールペンでいい?理由と書き分けを早見表で
北海道の香典の相場
香典の金額の相場は、北海道も全国とほとんど変わりません。故人との関係や、自分の年齢で決めるのが基本です。
- 職場の関係:3,000円〜1万円(同僚なら5,000円前後)
- 友人・知人:5,000円〜1万円
- 親戚・いとこ:1万円〜2万円
ただし、地域によっては、町内会やご近所として出す香典の金額が決まっていることもあります。迷ったら、町内会の役員や近所の人に聞いてみましょう。
関係別・年代別の目安は、こちらの記事で詳しくまとめています。
香典の金額相場を徹底比較!関係別・年代別の目安と失敗しない選び方
通夜と告別式、どちらに参列する?
本州の多くの地域では告別式に参列する人が多いのに対して、北海道では通夜に参列する人が多いといわれます。
- 通夜には、会社関係者や知人など多くの人が参列する
- 告別式は、親族や特に親しかった人だけで行うことが多い
どちらか一方にしか行けない場合は、親族でなければ通夜に参列して、香典もそこで渡すのが一般的です。香典は通夜か告別式の、どちらか一方で渡せば十分です。
香典返しは、その場で受け取ることが多い
北海道では、受付で香典を渡すと、その場ですぐに返礼品を受け取る「即日返し(即返し)」が一般的です。お茶や海苔、タオルなど、1,000円前後の品が多いようです。
本州のように、後日あらためて香典返しが届くことは少なく、この返礼品が香典返しを兼ねていると考えられています。
道外の人のなかには、香典を多めに包んだのに後日お返しが来ないことに驚く人もいますが、北海道ではそれが普通です。失礼なことではないので、安心してください。
道外から参列する人へ/道外の葬儀に行く人へ
道外から北海道の葬儀に参列するとき
- 受付で香典の中身を確認されても、驚かなくて大丈夫です。
- 領収書を渡されたら、そのまま受け取りましょう。
- 返礼品もその場で受け取ります。後日の香典返しは、ないのが普通です。
- 参列するなら、通夜を優先すると地元の流れに合います。
北海道の人が、道外の葬儀に参列するとき
- 香典の領収書は出ないのが普通です。求めないようにしましょう。
- 受付で香典の中身を確認されることもありません。
- 告別式に参列する人が多い地域もあるので、案内をよく確認しましょう。
(少しだけ僕の体験談です)
北海道の葬儀では、香典を渡したときに領収書を受け取るのは、わりと普通のことです。僕も受け取ったときに、特に何とも思いませんでした。なお、僕は喪主として領収書を出したことはありません。
北海道の人にとっては当たり前の香典の領収書ですが、道外から参列した人は驚くことが多いようです。どちらの立場でも、「地域によって当たり前が違う」と知っておくだけで、当日に慌てずにすみます。
よくある質問
領収書がもらえなかったけれど、失礼なこと?
失礼ではありません。家族葬や小規模な葬儀など、領収書を出さない葬儀もあります。気にしなくて大丈夫です。
北海道以外でも、香典に領収書が出る地域はある?
香典に領収書を出す習慣は、北海道ならではのものとして知られています。ほかの地域では、ほとんど見られません。
香典を郵送したときも、領収書は届く?
郵送の場合は、遺族の考え方によって違います。届かなくても失礼ではありません。香典の郵送の方法は、こちらの記事をご覧ください。
香典を郵送するタイミングはいつ?現金書留の送り方と手紙の文例
札幌では、友引でも葬儀ができる?
札幌市の火葬場は、2026年10月から友引の日も交互に開場しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
友引に葬儀・通夜はできる?避ける理由と日程の決め方|札幌の火葬場は友引も開場
まとめ
- 北海道では、香典に領収書が出るのが一般的。受付でその場で金額を確認される。
- 理由ははっきりしないが、雪で参列できない人の香典を届けた証拠として、などいくつかの説がある。
- 中袋の住所・名前・金額ははっきり書く。連名なら別紙に全員分。
- 香典返しは、受付でその場で受け取る即日返しが一般的。後日のお返しはないのが普通。
- 北海道では通夜に参列する人が多い。どちらか一方なら通夜を優先。
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