社員の家族や取引先の関係者が亡くなったとき、会社として弔電を送る場面は意外と多いものです。ところが、「どこまで送るのか」「差出人は誰の名前にするのか」「いつまでに届ければいいのか」など、いざ担当になると迷うことがたくさんあります。
この記事では、会社から弔電を送る範囲、差出人の名義と宛名、締め切りと申し込み方法、そのまま使える文例まで、総務・秘書・管理職の方向けにまとめました。
結論:会社から弔電を送るときの基本
- 送る範囲は慶弔規程で決める:規程がなければ、社員本人・社員の親・配偶者・子、取引先の代表者や役員の近親者などを目安にします。
- 差出人は会社名+代表者名が基本:部署として送るなら「〇〇部一同」とします。
- 宛名は喪主、届け先は斎場:通夜の前までに届くよう手配します。
- 辞退の有無を確認する:香典・供花の辞退でも、弔電まで辞退されていなければ送って構いません。
会社から弔電を送るのはどこまで?
会社に慶弔規程がある場合は、それに従います。規程がない場合は、次の範囲が一般的な目安です。
| 相手 | 送ることが多いケース |
|---|---|
| 社員本人 | 社員が亡くなったとき |
| 社員の家族 | 親・配偶者・子が亡くなったとき(祖父母や兄弟は規程による) |
| 取引先 | 代表者・役員・担当者本人や、その近親者が亡くなったとき |
| 役員のOB・関係団体 | 付き合いの深さに応じて判断 |
家族葬で辞退されている場合
最近は家族葬が増え、「香典・供花はご辞退します」と案内されることが多くなりました。このとき、弔電まで辞退されていなければ、弔電は送って構いません。弔電は遺族の手間がかからず、お返しも不要なので、辞退の対象外とされることが多いからです。
ただし、「弔電もご遠慮ください」と明記されている場合は、送らないのがマナーです。迷うときは、社員本人や先方の担当者に「弔電はお送りしてもよろしいでしょうか」と確認しましょう。
(少しだけ僕の体験談です)
取引先の社長のお父様が亡くなったときのことです。家族葬のため、香典や供花は辞退するという連絡でした。
どう対応すべきか社長に相談したところ、弔電を送るよう指示があり、会社のトップの名義で弔電をお送りしました。
後日、先方から「祭壇に飾らせていただきました。温かいお言葉をいただき、親族一同救われました」という丁寧なお礼状をいただきました。
差出人の名義の書き方
| 送り方 | 差出人の書き方(例) |
|---|---|
| 会社として | 株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇〇〇 |
| 部署として | 株式会社〇〇 営業部一同 |
| 役員・上司の連名 | 株式会社〇〇 取締役 〇〇〇〇/部長 〇〇〇〇(3名程度まで) |
遺族が「どこの会社の誰からか」をすぐ分かるように、会社名・役職・氏名は省略せずに書きます。弔電は葬儀で読み上げられることもあるので、会社名の読み方を申し込み時に伝えておくと安心です。
宛名と届け先
- 宛名:喪主のフルネームあてにします。喪主がわからない場合は「故 〇〇〇〇様 ご遺族様」とします。
- 届け先:通夜・葬儀を行う斎場(葬儀会場)に送ります。自宅で葬儀をする場合は自宅あてです。
- 確認すること:斎場の名前・住所・電話番号、通夜と告別式の日時、喪主の名前と故人との続柄
文中で故人を呼ぶときは、喪主から見た続柄に合わせた敬称を使います。
| 故人(喪主から見て) | 敬称 |
|---|---|
| 父 | ご尊父様 |
| 母 | ご母堂様 |
| 夫 | ご主人様 |
| 妻 | ご令室様(奥様) |
| 息子 | ご令息様 |
| 娘 | ご令嬢様 |
いつまでに送る?当日でも間に合う?
弔電は、通夜の前まで、遅くとも告別式が始まる前までに届くよう手配します。式の中で読み上げられることがあるため、開式の数時間前には届いているのが理想です。
多くの電報サービスでは、当日のお届けにも対応していますが、当日配達の受付締め切りが決まっています。訃報を受けたら、できるだけその日のうちに申し込みましょう。締め切りの時刻はサービスや地域によって異なるので、申し込み前に必ず確認してください。
告別式に間に合わなかった場合は、無理に弔電を送らず、後日お悔やみの手紙を送る方法もあります。
弔電の申し込み方法と費用の目安
- 電話で申し込む:NTTの電報(115番)などに電話して、文面・宛先を伝えます。
- インターネットで申し込む:各社の電報サービスのサイトから、台紙・文例を選んで申し込めます。法人向けに請求書払いができるサービスもあります。
費用は、台紙の種類と文字数で決まります。シンプルな台紙なら数千円程度、押し花やプリザーブドフラワー付きの台紙なら1万円を超えるものもあります。取引先の代表者あてなど、格式を重んじる場合は、落ち着いた上品な台紙を選びましょう。
会社から送る弔電の文例
社員の家族が亡くなったとき
ご尊父様のご逝去の報に接し、社員一同、心よりお悔やみ申し上げます。ご家族の皆様のご心痛はいかばかりかとお察しいたします。安らかなご永眠をお祈りいたします。
取引先の代表者が亡くなったとき
貴社代表取締役社長 〇〇〇〇様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに、貴社ならびにご遺族の皆様に心より哀悼の意を表します。
取引先の関係者の家族が亡くなったとき
ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。在りし日のお姿をしのび、心より哀悼の意を表します。
個人として送る弔電の文例(友人・上司・同僚あてなど)は、こちらの記事にまとめています。
弔電の文例|友人・会社(上司/同僚/取引先)別にそのまま使える例文とマナー
弔電で避けたい言葉
- 重ね言葉:重ね重ね、たびたび、ますます、くれぐれも(不幸が重なることを連想させるため)
- 直接的な表現:「死亡」「死去」は「ご逝去」、「生きていた頃」は「ご生前」と言い換える
- 宗教による違い:キリスト教や神式の葬儀では、「ご冥福」「成仏」「供養」などの仏教の言葉は使わない
宗教がわからない場合は、「謹んでお悔やみ申し上げます」「哀悼の意を表します」など、宗教を問わず使える表現にしておくと安心です。
よくある質問
Q. 家族葬で「香典・供花は辞退」とあります。弔電も控えるべきですか?
A. 弔電まで辞退すると書かれていなければ、送って構いません。「弔電もご遠慮ください」とあれば控えましょう。
Q. 供花と弔電は、両方送るものですか?
A. どちらか一方でも失礼にはなりません。付き合いの深い取引先や、社員本人が亡くなった場合は、両方送ることもあります。慶弔規程で決めておくと迷いません。
Q. 弔電の費用は会社の経費にできますか?
A. 一般的に、会社の経費として処理されることが多いです。社員やその家族あては福利厚生費、取引先あては交際費として扱うのが一般的ですが、詳しくは経理担当者や税理士に確認してください。
Q. 弔電を送ったら、香典も別に必要ですか?
A. 会社として送る場合は、慶弔規程に従います。弔電だけ、弔電と香典(弔慰金)の両方、など会社によって異なります。
まとめ
- 送る範囲は慶弔規程で決める。社員の家族や取引先の近親者が目安
- 差出人は「会社名+代表者名」、部署なら「〇〇部一同」
- 宛名は喪主、届け先は斎場。通夜の前までに届くよう手配する
- 香典・供花の辞退でも、弔電まで辞退されていなければ送ってよい
- 宗教がわからなければ、宗教を問わない言葉を選ぶ
会社からの弔電は、遺族にとって「故人や家族が大切にされていた」と感じられる、心のこもった贈り物です。形式を守りつつ、早めに手配しましょう。
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